続・幸せの契約
First Session

New days

広い寝室


キングサイズのベッドで私はまだ夢の中



“ピッピピ♪ピッピピ♪”


甲高いアラーム音が夢の中にこだまする


「ん…―。」



モソモソと手を伸ばして
耳障りな音を消すスイッチを探そうとしていた時


“ピッ…”


私よりも早く誰かがアラームを止めた


クスッ
遅れて聞こえる笑い声


ん?


うっすらと目を開ける


「お早うございます。
鈴さん。
お目覚めの時間ですよ?」


優しい声と暖かな微笑み


!!


私はハッとして飛び起きた


そこに立っていたのは

萩乃宮財閥の御曹司で
萩乃宮コーポレーション社長


そして…元は私の執事をしていて


今は婚約者の


「大和さん!?」


クスクス笑って私の頭を優しく撫でる

燕尾服ではない
パリッとしたスーツ姿の元・執事


「良く、眠れたようですね?」



犬居さんが大和さんで
思いが通じあって
正式に婚約発表したミレニアムパーティーから3ヶ月

執事が起こしてくれない朝に私は苦戦していた



「やはり、前の様に私が起こしてあげましょうか?」


「い、いいです!
私一人でちゃんと起きれるし、大和さんはお仕事があるじゃないですか。」



大和さんは執事をやめたから、自分の変わりに新しい執事を私に…って


何度も提案してくれたけど
犬居さん
じゃなかった
大和さん以外の執事を持ちたくない



私の執事は1人


目の前にいる
大和さんだけ
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