モラルハラスメントー 愛が生んだ悲劇

堕ちゆく二人


直哉の容態は、日に日に悪化していった。

嫌がる夫を病院に連れて行くことは裕子にはできない。

昼間から酒を飲み、暴れて裕子に当たり散らすようになった。

『こうなったのは全部お前のせいだ!』

『出て行け!』

玄関先で、背中を蹴飛ばされて非常階段から落ちた裕子は指を骨折した。


(もう駄目・・・・)


裕子は母親に相談することを決めた。

< 29 / 42 >

この作品をシェア

pagetop