【短編】“アレ” の正体
“アレ”の正体

えーと、君は…
 
 
まだ2000年の
始めくらいかな?
 
 
…だね。

うん。
 
 
 
 
ボクのいる世界は、
そこから数十年後の未来。
 
 
そっちは
色々と大変でしょう?


 
 
え、不況?
 
 
あ、いや、
そういう事じゃなくてさ。
 
 
寿命とかあるでしょ?
…って話。
 
 
そんなの
当たり前田の
クラッカーだって?
 
 
君、アレだね。
 
1900年の終わり…
そうそう、ショーワ、
体験してるでしょ?
 
 
してる?
してない?
 
 
ま、そんなの
どっちだっていいや。
 
 
 
 
で、何だっけ?
 
 
そう、寿命だよ、寿命。
 
 
 
 
コッチには
寿命って概念が殆どないんだ。
 
 
不思議に思うでしょ?
 
 
ま、簡単な事だよ。
 

遺伝子を操作して、
細胞が死なないようにするんだ。
 

 
ね?

種がわかれば
何でもないでしょ?
 
 

 
ちょっと前までは、
脳の中身を
デジタルデータに変換して
 
新しい自分のクローンに
移植してたんだけど、
それだと
色々と問題が出るからさ。
 


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