きっと ずっと もっと。

After story

翌朝、あたしは担任の元へと走った。

決まった就職先は“コーちゃんのもと”だと告げたあたしに、担任はにやりと笑った。


それからは穏やかな毎日で。

父は毎晩の様に“嫁に行ってしまう娘を持つ父”に浸って晩酌し、母はお式はいつにしようかしら、なんて今まで以上に衣類を買ってくれる。


コーちゃんを人前でも“幸大”と呼ぶようになったあたしは、時折兄に冷やかされたりもする。

でも、それは決して苦じゃなくて、嬉し恥ずかしいだけ、だったり。


コーちゃん――幸大とは今までよりも一緒に居れる時間が増えた。

住む部屋を探したり、式場を決めたり、それに沢山の話をする。


それを当たり前のように過ごせる毎日こそが幸せで、あたしが感じていた幸大との隔たりがなくなった証拠だと思えた。
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