不器用なLOVER
third promise
その日から、
生徒会長の話題を避けるようになっていた。

学年が違うため会うこともなく、
時々遠くに外野の声を聞く程だ。

「はあ〜」

休み時間に机に突っ伏すと
溜め息が溢れる。

「あっちゃん?どうかした?
元気無いみたい」

衣里の声に、視線だけを移す。

「そう言えば、
体育祭もう少しだけど、あっちゃんは誰か見つけたの?」

体育祭で見つける?
って誰を?

頭に?が浮かんでいるのが分かったのか、説明する。

「体育祭っていっても、
後夜祭の方ね。
毎年後夜祭には舞踏館で社交パティーが催されるの」

その社交パティーでは当然社交ダンスなる物を躍らなければいけないらしく、
そのパートナーと同伴することが参加条件だった。
パートナーが見つからない人は…

「去年は申し込まれるの待ってて
結局、三人とも茅の外だったから」

「今年はあんな屈辱味わりたくないよね」

いつの間に、
隣の真姫が力強く頷いた。

「そういえば、今年も生徒会長は参加しないのかな?」

登喜子が思い出したように呟く。

せっかく忘れてたのに思い出しちゃったじゃん。

「生徒会長って…

私の言葉は授業開始のチャイムにかき消された。

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