それから2日後、例の面接を通過したという、にわかには信じられない通知がアパートに届いた。

 あ……あんな面接で受かっちゃったの!? しかも、次は社長さんと直接面接だって!

 ど、ど、どうしよう!? 受かった時のことなんて、考えてもいなかった。

 えーっと、とりあえず篠宮さんに報告しなきゃいけないよね。ちょっと気まずいけど……。

 面接で色々言われちゃったから、何となく連絡する気が起きなくて、報告も何もしてなかった。でも、さすがにこれは連絡しないとマズイ。

 お財布に入れていた、篠宮さんの名刺を出した。

 ……これを受け取ったから、あんなことになったのよね。良かったんだか悪かったんだか。

 あああ、ダメダメ! 気持ちを切り替えなくっちゃ!

 あたしはブンブン首を振って、深呼吸した。よし! 電話を掛けるぞ。

 受話器を取って、笑っちゃうほど震える指で携帯電話の番号を押した。ちょっと長めの呼び出し音の後で、電話が通じた。





『俺だ』

 わっ! な、なんかいきなり機嫌悪そうな声。

「あ……あの、あたし、島谷響子です」

 恐る恐る名乗ったら、ちょっと息を飲むような気配がして、溜め息が聞こえた。

 ドキッと心臓が跳ね上がった。た、溜め息って、耳元で聞くとゾクゾクするのね。こんなの初めて。

『お前か』

「あの……急に電話してすみません。今、大丈夫ですか?」

『ああ、構わねぇ。どうした?』

「あのぉ……め、面接のことなんですけど」

 ダメだぁ、さっきあれだけ深呼吸したのに、息があがる~。

『なんだ、今頃か』

「す、すみません」

 うわ~ん、早速鼻で笑われた。

『報告まで随分と時間が掛かったな。何かあったのか?』

「えっ……!?」

 なんて返したらいいか、絶句して悩んで黙ってしまった。あったと言えばあったけど……。

『どうした? 響子』

 ぅひゃっ!

 ゴトンッ

 で、電話で名前なんか言わないで~!

 み、耳元で名前を囁かれてるみたいで、心臓に悪いよ。


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