もっと、満たして【完】
act.2
あの金曜の悠との出会いから
1週間後に、私は彼と別れた


もう、顔もよく思い出せない
『俺は綾の何だったんだ。』と
泣く彼に、何と声をかけたのかも覚えていない。

『最低な女』と私の印象を話す
男がまた一人、この世界に増えた。


悠とは相変わらずの距離感で
適度な付き合いが続いている


話したい事があれば電話を掛けるし
飲みたくなったら呼び出す

でも飲みの席が実現するのは
二人の予定が空いている時だけ


実現ししたのはこの1ヵ月でわずか2回



そんな距離感がたまらなく心地よかった









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