恋の相手は俺様王子!?

* 大好きなプリンス



「変な顔………」


「……へ?」


あたしは、彼が好き。

自然に好きななっていた。


直ぐそばに、端正な彼の顔があって、近付く距離にあたしは思わず恋する乙女顔というなる、唇をつきだした顔になっていて。


それを、変な顔と言われてしまった。


グサリと刺さった。


言葉が、胸に、グサッと!


「失礼なっ! アデッ!」


咄嗟に体を起こしたせいで、勢いよく彼の額に頭をぶつけてしまう。


痛みに額を抑えて尻餅ついた彼は、口端を引きつらせていた。

「…この石頭がっ」

「ううっ。 あたしだって、痛いわよっ」


ムードもへったくれもない。

甘くなるかもと僅かに期待していたのに、呆気なくいつもの空気に早変わり。


「チッ。 お前なぁ、意識してんじゃねぇよ」

「は……、意識って……」


手のひらを床についたまま、彼を凝視した。

すると、ふうと溜め息を吐かれて、またグサッと胸に矢が刺さった。


「男に免疫ねぇだけだから、それ」


免疫が、ない?

何を言われているのか分からない。


「俺は、ただの家政婦。 男として意識するな。 じゃねぇと、一緒に暮らすわけにはいかなくなるぞ」

「どう言うこと……」

「………だから」


理解出来ずにいるあたしに呆れ、彼は有り得ない行動に出る。

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