オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
プロローグ~独り身で何が悪い!?

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いつもと同じ、朝だった。


「おはよう、お母さん」


 あたしが部屋に入ると、お母さんはもう起き出してにこにこと邪気のない笑顔で、窓からのぞく景色を見上げていた。


「おはよう。今日はいい天気だねぇ。カナちゃんがきっと遊びのお迎えに来るだろうね」


「なら早く支度しなくっちゃ。今日着てく服を選ばなきゃね」


 あたしがそういうと、お母さんは慌ててスリッパも履かずに立ち上がったけど。


 きっと、忘れてた。自分の足が……


 体重を支えきれなかった足は崩れ落ちたけど、あたしは直ぐにお母さんを支えた。


「あら、いけないわ。きっと昨夜見た怖い夢のせいね。こんなことじゃカナちゃんに笑われちゃう」


「大丈夫、カナちゃんも分かってるから。さ、顔を洗ってから朝ごはんを食べなきゃ」


 あたしはいつものように、朝の身支度の介助をしたけど。お母さんはそれが当たり前みたいに思ってるのか、いつもお礼なんていわない。

でも、それは別にどうでもいい。

お母さんがこうしてあたしが居て当たり前と感じてくれるなら。
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