オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

ああ、神さま、ありがとう。


ヲタ男は車屋の駐車場を横切って真っ直ぐゲーセンに向かってくれましたよ!!


ヲタク万歳!


萌え万歳!!


あたしはこの時ほど、それらに感謝した事はなかった。


そのゲーセンは大手ゲーム会社の系列店でなく、個人経営のレトロ感漂う……悪くいえば古くさいお店だった。

筐体もわりと古い90年代ものばかり。

でも、イマドキ1ゲーム30から50円なんてあり得ない位に安い。

流行りを気にしなければ昔のゲームでもけっこう遊べるから、学生やおじさんで賑わってた。


イマドキな手で押して開閉するガラス戸を開いて中を覗くと、ヲタ男は早速奥にある脱衣麻雀に興じてた。


一階はヲタ男がプレイしているようなビデオゲームの筐体が多くて、二階にはコインゲームや休憩スペースがある。


プリクラは二階にあるから、チカたちとよく撮りにきた。


……


はい、あたしはすっぱりサッパリと忘れてました。


ユリたちから、必ず2人で一緒にプリクラを撮ってきなさい、と厳命されていたコトを。
< 21 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop