汚れた街の汚れなき天使
【第6章】初めての再会




ドキドキドキ。



緊張する。今日もきっとあの子、皆川まりあはここにやってくる。



「あ~もうなんて言ったらいいんだろ??」



人に頭を下げるのはニガテ。



だけど、今日も気持ちよさそうに眠るお兄ちゃんの為にもなんとか言わなきゃね。




「おはようございます♪」



「あ……眞子さん。おはようございます……皆川さんも」



「おはよう」



別にアタシの事なんで気にするでもなく、ベッドへ向かい腰掛けた。




「皆川さん、アタシ……」



「まりあでいいよ?」



日本語がちょっとたどたどしいのは……苛められて言葉を失くしてたからなの??中学に来なくなってから……高校だって行ってないハズ。



だからなのか、アタシなんかとか違う純粋な瞳で、お兄ちゃんをただ見守る。



そして、アタシにも何も無かったかの様に、笑いかける。



ちょっとだけ、お兄ちゃんが好きになった理由が分かった気がした。




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