粉雪2-sleeping beauty-
birthday
それからの俺は、忘年会に忙しくて。


自分の会社のだけじゃなくて、他の会社のにまでチョコチョコ顔出して。


ついでに接待して、次の仕事に繋げて。



それでも無理やり時間作って千里の店に足を運んだ。



カウントダウンは、お前の店に色んなヤツラが集まって来てさぁ。


何か、すっげぇ賑やかだったよなぁ。




お前と一緒に初詣に行って、一緒に商売繁盛の祈願してもらって。



「…千里、何祈ったんだ?」


『教えてあげないよ♪』



まぁ、こんなカンジで笑いあって。


お前の願い事は、全て叶った。


何を願ったのか知ったのは、あの星空の下だったよな。





やっとドルガバのキリストロザリオ着けた俺に、

お前が“やっぱり似合うね”なんて言ってさぁ。



おみくじ引いてみたら、俺が小吉で、千里は中吉でさ。


“どっちもどっちじゃん!”とか言って、また笑って。



あのおみくじ、当たってたよな。


だってお前、“待ち人来たる”だぜ?


今考えても、笑っちゃうだろ?



あの神社、結構すげぇよな。


だけど俺、当分行けそうにないんだ。


だからお前が変わりに、お礼言っといてくれよ。



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