翌朝目を覚ました矢央は、ゆっくりと部屋を見回した。


板張りの天井、障子戸。


夢じゃなかった。


少しだけ期待していたのは、目が覚めたら全て夢でしたというありきたりな出来事。


だがやはり現実は甘くなく、見える景色が現実だと思い知らせた。


「おーい、起きてっかぁ?」



布団から出ないまま首をコテッと動かした。


少しだけ開け放してあった障子戸の隙間から、こちらに手を振る上半身裸の大柄な男が見えた。


確か名は原田左之助。


「……朝から変態が見える」


ボソッと呟いた矢央は、突如朝日を受けギュッと瞼を閉じた。

眩しさに目が開けられないでいる。



「お寝坊さん早く起きないと朝食、食べ損ねちゃいますよ」

「…っ…眩しい……」

「直ぐに慣れます。 ほら、ゆっくり目を開けてみて」

そう優しく言われ、素直にゆっくり瞼を持ち上げると。


あれ?
何故か暗い。


ぱちぱちと何度もまばたきをしてみるが、視界は薄暗い。


その理由は簡単で、沖田が矢央の瞼の上を手で隠していたからだ。



「どうです? もう慣れてきましたか?」

「あっ…はい! ありがと…ぐへっ!!」

「うっ!!」


お礼と共に勢い良く起き上がったため沖田と矢央は真正面でぶつかり合い、お互い後ろに倒れ込んだ。


その様子を井戸場から見ていた原田、永倉、藤堂は大笑いしている。




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