復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ〜
新学期
長かった夏休みも今日で終わり、明日から新学期だ。

高校一年生の谷田奈々子は、一重まぶたの目をさらに細くして、卓上カレンダーを見ていた。

「とうとう明日から学校かぁ……」

ショートカットの黒髪を両手で、ぐしゃぐしゃにして、ため息をつく。

奈々子は私立夢ヶ丘高校に通っている。だが、今の高校に入学したことを、心の底から後悔していた。

中学時代、頭は悪いほうではなく、地元の公立高校に合格できるほどの成績だった。

受験が近づき、本命の公立高校に加え、滑り止めの私立高校と夢ヶ丘高校を受験することにした。

夢ヶ丘高校が、一番受験日が早いので、試験や面接の練習になると思い、高校見学などしないで、願書を提出しておいた。

滑り止めの私立高校は、落ちるわけがない、と奈々子は思っていたので、夢ヶ丘高校の試験の日は、心に余裕を持って受けることができた。
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