復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ〜
ナナツノノロイ
――目が覚めると、奈々子は薄暗い部屋に一人で寝ていた。

薬品の匂いがして、ここが病院だとわかった。
上半身を起こすと、肺いっぱいに空気をため、吐き出す。

「生きてる……」

奈々子は、あらためて安堵した。

結局、みんな死んでしまった……。
ぎゅっと胸をおさえる。心にたまっていた黒い液体がふつふつと熱を持っていく。


奈々子はうつむき、くっくっくっ、と口の端から笑い声をもらした。

「ざまあみろ」と低い声で笑う。

人のことをバカにしてきた罰が当たったのだ。

マリに嫌がらせをしたのは、他にも理由があった。
浮気でも零と付き合っていたことが、妬ましかったのだ。
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