白いジャージ2 ~先生と青い空~

時計のない旅



旅行の前の日の晩の電話で先生が提案した。



『時計は置いていこうぜ!』


時間を気にせずに、のんびりと過ごそうということなんだけど、

その発想がとても好きだと思った。



ドラマや映画の中でだけだと思ってた。


時計を置いて旅に出る…なんてね。




「時計なくても携帯あるから時間わかっちゃうなぁ・・・」


沖縄に着くと、先生は携帯電話の電源も切った。




石垣島までもう一度飛行機に乗り、そこから船に乗り、この島に来た。




「ず~っとこうしていたい。」


砂の上で抱き合いながら、先生が真剣な目で私を見つめた。


先生が語尾を延ばさずに何かを言う時は、なんだかドキっとする。

いつもドキッとするけど、

時々、こんな風に真剣に言われると

もう、私の体はふにゃふにゃになってしまう。



もう


先生の思い通りに

どうにでもして…って思うんだ。



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