恋口の切りかた

六、鬼の子

 
 【漣】


鬼の子。


刀丸と遊んでいるうちに悪行にいそしむ時間が自然と減ったせいか、

そのころの俺は、いつの間にかそう呼ばれることもなくなっていた。




そして、久々に耳にしたその言葉は、
俺ではなく──

刀丸に向けられたものだった。

< 101 / 2,446 >

この作品をシェア

pagetop