恋口の切りかた

二、はいぼく

 
 【漣】

「何だ何だ!?」

道場に入ってきた結城晴蔵は目を丸くした。



結城晴蔵。

武門、結城家の現当主にして、この道場の主で師範──つまり俺の親父殿なんだが。


「こりゃどういう風の吹き回しだ?」

「父上、どうか私に稽古をつけて下さい!」


床に正座して頭を下げた俺を見て親父殿は、かぱっと口を開けてかたまった。

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