その時、ドアがノックされて、



菊池がコーヒーを淹れて入って来た。




配っている間、誰もが無言になる。







そして、菊池が霧に目を遣って、



自分の所在についての指示を、



仰いでいる様子が見て取れた。





「…菊池を同席させてもいいですか?


彼は一応、俺の保護者の扱いなんで」





霧が2人の刑事に確かめて、清沢康成も古手刑事も頷いた。






…どんなに頭が良くても、




刑事の方が翻弄されていても、霧は未成年だ。





保護者にあたる人間を同席させるのに、



異論は唱えられない。





2人の刑事の反応を見て、霧が菊池に席を開ける。





菊池はそこに黙って座った。




…一気に窓側のソファの2人の風格が漂う。





…やりにくい聴取だ。






清沢康成は、感情が籠りそうになる自分を、




必死に抑えていた。





「…何の話でしたっけ。


…ああ、彗の証言の話だ。


…聞かなくても認めますよ。


だって彼女の口走った言葉は、


間違いなくあの夜に、俺が彗と話した会話の断片でしたから」






霧はそう言って、瞳を閉じた。




まるで、霧の脳裏には、



あの夜が完全に再現されているように見えた。



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双子  記憶喪失  幼なじみ  火事  切ない