「清沢さん、古手さん。


…黙っててごめんなさい。


でも、私もここに来るまで、まだ半信半疑でした。


…今私の前に居る霧を、


心のどこかで『星』だって信じたい気持ちがあったから…。


でも、思い出してはっきりしました。


彼は正真正銘の、『三島霧』です。


…星は亡くなりました。


…あの火事で、逃げ切れずに亡くなったのが、


私の双子の兄、星なんです」




「…私も証言しましょう。


彼女の言う通り、ここに居るのは本当に『三島霧』です。


…火事以前から彼を知っていた私も、


断言できます」




それまで黙っていた菊池さんが声を出して、



みんなが菊池さんに視線を投げた。






「私は、黒澤大二郎の…。


先生の秘書として、


この官僚一家の血筋が途絶えるのを阻止したかった。


…それで、一人娘の洋子さんの息子の事を知った。


…IQ200を超える天才…。


こっそり調べるとそんな情報が入り、


彼を黒澤の後継者として養子に入れることを目論んだ。


…もちろん、洋子さんとその夫は、反対しました。


だけど、霧さんは、やっぱり頭が良かった。


…どっちにつくのが得か、


まだ幼いながらも自分の将来を見据えていた」





「菊池、もういいよ。


…それ以上お前が話すと、


俺はただの悪者になりそうだ。


…実際、『凶悪犯』ですけどね」





霧がそう言って菊池さんを止めると、




私をチラッと見た。






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双子  記憶喪失  幼なじみ  火事  切ない