私が顔を出しても、近寄ってくる様子はない。




私が警戒しているのが、よくわかるんだろう。




だから、私から傍に行くのを待ってる。





通りを挟んで、変な駆け引きの間があった。




私はドアを半開きにしたまま、顔だけ覗かせて、




電柱の灯りに照らされる男が、何か言うのを待つ。






男からは、暗がりの中にいる私の表情までは見えないだろうけど、




電柱に寄りかかって、腕組して、私が動き出すのを待っている。





…ダメだ。これじゃ、埒が開かない。

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