私が知っているのは、




火事の後に人から伝え聞いたことだけ。




私が覚えてる記憶じゃない。






…たとえ私が、『敷島彗』じゃなかったとしても、




それを自分で私は彗よ、って、証明出来ない。





…私は誰?




そんな不安すら浮かび上がってくる。





自分が誰かすら曖昧な記憶。




一緒に住んでるお祖母ちゃんさえ、本当に私のお祖母ちゃんなのか、不安になる。





…だけど、あれから10年、私は『敷島彗』だった。




…それ以外の他の名前で呼ばれた事がない。





…自分が『彗』だと信じるならば、




私を『彗』って呼んでくれる星の事も、




信じるべきだって思った。




…初めて、




自分が自分じゃないような感覚に囚われて、怖くなった。

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双子  記憶喪失  幼なじみ  火事  切ない