そうだ。あの火事は『放火』なのに、犯人は見つかっていない。





夜中で目撃者もなく、家も全焼してるから、物的な証拠もなく…。




このまま何もわからないまま、過ぎ去っていくのかと思ってた。




だけど、星は。





「…彗が元気になって、俺が自由に動けるようになるのを待ってた。


…俺達の両親は、ただ火事で死んだんじゃない。…放火されて、殺されたんだ。


…俺と彗も、離れて暮らす運命を余儀なくされた。


…2人で、父さん達の仇とってやろうぜ」





そう言って、強い瞳で私を見つめた。




私はその瞳を信じて小さく頷く。




「…そうと決まれば。


彗、火事の事で何か覚えてることはある?」




星がそう聞いて来るけど、私は黙って、首を振った。




「…ごめんなさい。


私には、火事があったって事しか記憶になくて」




…さすがに、6年間丸ごと自分の記憶がないとは、言えなかった。




「…仕方ないか。彗はあの時、2階で眠ってたし。


覚えてても、何も知ってるわけがないか」




星は私が気にしないように笑うと、




じゃあ、俺が知ってること、話すよ、




そう言って、最後に残ったコーヒーを飲み干した。

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双子  記憶喪失  幼なじみ  火事  切ない