清沢康成(きよさわやすなり)は、




特別捜査本部と名付けられた、名前だけは立派な、言わば閑職の部署で、




捜査本部が立ち上がっている間にホシを挙げられなかった、未解決事件…、




きっとこのまま時効を待つしかないような膨大な量の事件ファイルを見て、溜め息をついた。





『現役』の事件を扱う捜査一課や二課から、毎日のように上がって来る、未解決事件の数々。



一体どれだけの事件を未解決にする気だ、と、憤りすら感じる。





だけど、かつては自分もそうやって、




幾つかの事件を特捜に持ち込んだ刑事だった。





ここはいわゆる、事件の墓場だ、と、清沢康成は思う。




ここに運び込まれて、解決に至る事件は、ほんの一握りしかない。





よほど世間の関心を引いた事件だと、どれ位かの周期でマスコミが取り上げて、





『今でも200人の捜査員を挙げて、全力で真相解明を目指しています』



なんて軽く言うが、その200人は掛け持ちだ。




なんせ、その事件を後追いする特捜その物に、部員は30人もいないのに。

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