応接室をノックして入って来た三島霧は、




10年前に見た面影を残しながらも、立派な少年に成長していた。




やや怪訝そうな表情を浮かべて、



ソファから立ち上がった清沢康成と古手刑事を見つめて、



三島です、と一言挨拶する。




「お呼び立てしてすみません。…特捜の清沢です」



「捜査一課の古手です」




次々に名乗ると、



一課?と聞き返しながら古手刑事に目を遣って、



それから清沢康成に視線を向けた。




「…あなたは初めてじゃありませんね」



「覚えていて下さいましたか」




清沢康成は、制服姿でなければ、とても高校1年生には見えない、



落ち着き払った霧に笑顔を作る。



けれど霧はその笑顔に応える様子はなく、表情を変えずに、一言だけ言った。

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双子  記憶喪失  幼なじみ  火事  切ない