家に帰るまでの道のりも、




なんとなく辺りを窺ってしまう。





ずっと見られてるように思うのは、




気分のいい事じゃないけど、





この感じは何なんだろう。





…敵ではない気がする。





とても懐かしい、『誰か』





私はやっぱり振り向いて、




キョロキョロと見回してみるけど、




視線の主はわからない。






溜め息をついて、




家まで急ぐ。






だいぶ陽が延びたとは言え、もう薄暗い。




最近じゃ、だいぶ足腰の弱くなったお祖母ちゃんが、




食事を作っているかと思うと、自然と急ぎ足になる。





火事で両親を失ってから、10年。




ずっとお祖母ちゃんと2人で暮らしてきたけど、




お祖母ちゃんだって年だ。





中学に入った頃からは、




家事は私が受け持っていたけど、




お祖母ちゃんはそれまでの習慣で、今でも色々やってくれる。





私が身体を心配して止めると、




穏やかに笑って、いつもこう言う。





「何にもやることが無くなって、毎日ボーッと過ごすようになったら、


ばあちゃんだってボケちゃうかもしれんだろ?


そしたら彗ちゃんはもっと大変になるんだよ」





だから、止められない。




無理はしないで、って言うだけだった。

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双子  記憶喪失  幼なじみ  火事  切ない