どう考えたって、




今の古手刑事の疑問を誤魔化すのは、この少年にも無理だど思った。



…三島家は半焼だった。当然、現場検証も行われている。




…天井から燃えた梁が落ちてきた。



そんな証言をするかと思ったが、少年は何も言わずに、口元に笑みを浮かべていた。



下手な嘘はつかない。



そう言った表情だった。




…実際、現場検証で、落ちた梁など見つかっていない。




彼がそれを知っているかいないか。



どっちにしても、彼はそれを理由にはしなかった。





2人の刑事が、高校生の霧が何を言い出すかってことに、



完全に振り回されている。



…滑稽な話だ。





だけど、霧は頭のいい少年だ。




医師からの情報だけでなく、




その鷹のような眼差しが、それを語っている。





「…少しは頭の使える刑事もいるってことですね。


…10年経ってやっと見抜く事ができた」




その頭の使えない、10年前の刑事が自分か、と、




清沢康成は霧の毒舌に、怒りよりも微笑ましさを感じた。

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双子  記憶喪失  幼なじみ  火事  切ない