不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-

第9節:嘘つき




小雨になっていた雨は、私が、家につく頃には、すでに上がっていた。



雨だった影響もあり、辺りは、まるで深夜のような暗闇に包まれていた。



時計を見ると、すでに時刻は、19時を指している。



ただ、気分の落ち込みのおかげで、夕飯の時間だが、それほど、お腹は減っていなかった。



家のすぐ近くまで来たところで、ふと、家の玄関の前に外灯の明かりを金色に反射しているものが、あることに気付いた。



「・・・・。」



私は、無言のまま、それを見て、一瞬、立ち止まったが、すぐに歩き始めた。



そして、家の玄関の前の外灯の明かりを金色に反射しているものを無視して、家に入ろうとする。



「・・・ルミちゃん・・・。」



私を私の家の玄関の前で待っていたものは、コウだった。



コウの金髪の髪の毛は、外灯で輝き、暗闇の中では、よく目立った。



私は、当然のことだけど、コウを無視する。



とういうか、今、私の前に顔を出せた、コウの心境が信じられなかった。



「待ってよ、ルミちゃん。」



コウは、無視して、玄関の中に入ろうとする私の肩を掴んだ。

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