不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
第4節:カラオケ
「ミヤビさん!」
4人で校門を出て行こうとした時、後ろから海堂舞が追いかけてきた。
4人は、あからさまに嫌な顔をして立ち止まる。
「何、海堂さん?」
怒っているのがわかりやすいミヤビの反応。
「・・・ごめんね。・・・でも、私、誘ってもらえてうれしかったから。・・・それだけ、言いたくて。」
それだけ言うと、悲しそうに海堂舞は、また、校舎の方へ戻っていこうとした。
「・・・だったら、一緒に行かない?」
私は、怒っているみんなの前で言うのにはためらいがあったが言った。
(だって、海堂さん、まったく悪くないし。)
その気持ちからだった・・・・それに、私には、もうひとつ気になったことがあった。
「・・・いいの?」
海堂舞は立ち止まって、みんなの方を見る。