不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
第5節:暴走族 紅蓮
外にでると春の今は、少し暗くなり始めていた。
「どうする?どっかで何か食べて帰る?」
ミヤビがみんなに聞く。
「・・・ごめんね。私、もう帰らないといけないから。」
マイがバツが悪そうにみんなを見回す。
「あ、私も、引っ越してきたばかりだから、帰らないと。」
私は、もう引っ越しの始末はすんでいたので、帰る必要はなかったけど、マイのことを考えて言い出した。
「そっか・・・じゃ、帰ろうか?」
ミヤビは少し残念そう。
その時、5人組の男が私達に話しかけてきた。
「ねぇ~、その制服は、百合ヶ丘の子でしょ。俺達と一緒に遊ばない?」
ミヤビの肩に手を回しながら、馴れ馴れしくしてくる。
「さわんなよ!」
ミヤビが冷たく、その回してきた手を叩く。