純情BABY

ハッピーエンド?

『なんだよ。どうした?』



前の格好や化粧より、今の方がまだマシって意味に違いない。




そんな意味で好きって言っただけ。頭の中でそう必死に言い聞かせてるのに。




まださっきと同じく笑いかけてくれてるから、期待しちゃうじゃん。





「あの、私ねっ」





渋谷が好きーー…





そう言う寸前で、音楽準備室の入り口が開いた。





『あら、どうやって中に入ったのかしら?』




綺麗なソプラノ声で歌うように問いかけて来たのは、音楽教師の中谷静先生だった。




学校内で一番若くて、美人。なのに生徒と気さくに話す先生はみんなに信頼されてて、しずちゃんと呼ばれてる先生。




しずちゃんになら勝手にここに入ってた事を怒られずに済む。




ホッとした私の横で、渋谷が軽く頭を下げ始めたから、驚いた。




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