メイド in LOVE
今日からメイド


私がメイドとして
レオンの元で働くと
決めてからは
とても目まぐるしかった。

カイルさんは
屋敷に電話をかけ
何かを指示していたし

レオンは私を質問責めにする


「リザ…お前、年はいくつだ?」


「18です」


「若いな…では、出身はどこだ?」


「生まれたのはクロウ国ですが
この国で育ちました。」


「ふーん…学校へは
通っていたのか?」


「15までは通っていました。
家庭が経済的に厳しくなり
辞めました。」


「なるほどな。では何故
借金取りに追われていた?」


「話せば長くなりますが…」


「構わん…話せ。」


「借金は父が作りました。

私の母は踊り子をしていて
演舞団でいろいろ国を
回ったいたので
家には居ませんでした。
ある日、母からの手紙が
無くなり、音信不通になってから
父は酒に溺れるようになり…

借金が苦しくなって来た頃
父は若い女と逃げました。
私を捨てて…」


「お前の母親は…?」


「病気で亡くなっていました
それを知ったのは三年前です。」


「そうか……
よく…頑張ったな」


レオンのその言葉に
私は気付けば涙を
流していた。

私って泣き虫なのかしら?
母が亡くなってから
泣いてばかりな気がする。


けれど、私は
誰かにその言葉を
言われたかったのかもしれない

よく頑張ったと
認められたかった…。


泣いてしまった私に
レオンは何も言うことなく
ただ、頭を撫でてくれた。


その手の優しさは
団長に少し似ていた。




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