メイド in LOVE

新たな生活



彼の屋敷に着いた時…
私は驚きすぎて
腰が抜けるかと思ったほどだ。


果てしないほど続く壁
家の門から玄関まで
5分はかかる。
公園のような広さの庭に
まるでお城のような白い
5階建ての家。


こんな家は見たことが無い。

私が学校に通ってた頃に
住んでいた家は
ココの庭の中に
すっぽりと
入ってしまうだろう。

しかも何個もだ。


私が呆然とした表情で
見つめていると
レオンは私に声をかけた。

「そんなに見つめなくても
この家は逃げない。
これからずっと暮らし
生活する家だ。
眺める時間はいくらでもある。
ほら…車を降りろ。
玄関に着いたぞ。」


その言葉で急いで
車を降りようとすると
先に降りていたレオンが
私に手を差し出した。


「何ですか?」


「俺の手を取れ。」


「へ?」


「レディが車を降りる時には
男は手を貸す。普通のことだ。」


さも当たり前のように
レオンが言うものだから
私は少しためらいながら
おずおずと
彼の手に自分の手を重ねる。



ぐいっ

「…きゃ!」


彼は私の手を取ると
突然、強く引っ張った。
そのせいで
私はレオンの胸の中に
飛び込んでしまったのだ。


彼はいとも簡単に
私を抱き止める。


「遅いぞ。行動は素早くしろ」


こんな風に
男性に抱き止められた事が
全く無い私は……


「……ご、ごめんなさい///」

恥ずかしすぎて
うつ向きながら謝るだけで
精一杯だった。





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