キミの隣に

急接近

 


・・・疲れた。


一瞬感じた
色っぽい瞬間は、
夢だったんだろうか?


私の気のせいだったのかなあ。 

・・・そうだよねぇ?

だって、あのあと
本当に部屋に引きずり込まれて
模様替え?の、手伝いを
させられたんだもん。

『センセ、これは何?
どーゆー状況・・・?』

機材と配線パーツが転がる。

無意識に、手が、
ケーブルを捌き束ねていく。

『それ、買ったから。
配置替え。』

『ああ?サウナ?』

『防音室!!』

分かってるよ・・・

ちょっとボケてみた
だけじゃんっ。

『普通、サイズ計んない?
買うときに。』

『このサイズがいるから。
今回はサイズ優先。』

配置変更は終了したらしく、
後は配線を整えたいらしい。

『貸して。やったげる。』

かばんの中から作業用の
ジャンパーをとりだし、
スーツの上から羽織る。

見た感じ、工具は、
ドライバーとラジオペンチで
十分と、ポケットにそれらを
突っ込み、ケーブルの束を
腰と首に巻いた。

『・・・得意なの?真月。』

『仕事の一部だから。』


 


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