いちばんの星


サヴィアーノの現国王ヴェルヌは、前国王である父を幼い時に亡くしているため若くして国王の座についた。



その若さゆえ、初めは反感の声が多かったものの、元々頭がよく王族としての気品を受け継いでいたヴェルヌが周りを納得させるのにそれほど時間はかからなかった。



この容姿もよく、 王としても申し分ないヴェルヌに結婚の話は絶えなかった。



しかしヴェルヌはそのどれもを断っている。



その一方で女性関係が激しく、困り果てた大臣のザランがヴェルヌの為にある事を考えついたのだ。



「どいつもこいつも人に媚びを売るやつばっかりだ…」



頬杖をつきながら、ヴェルヌはぼんやり過去の事を思い出していた……



――そうだ…昔から女なんていうのはろくなやつがいない…



ヴェルヌの過去。それが今の彼の性格に影響しているということは間違いない。



ヴェルヌはふぅとため息をつくと再びサインをし始めたのだった。
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