いちばんの星


「あの…大丈夫ですか?」



突然声を掛けられ、驚いてミュリエルが振り向くと、そこには怯えた表情の女性が立っていた。



「あなた…は?」

「あ、あのラナ…です。同室の…」



ミュリエルが部屋を見渡すと確かにベッドがふたつあった。



まったく話を聞いていなかったミュリエルは、ラナの存在に全く気づかなかったのだ。



「心配して頂いてありがとうごさいます。あの、これからよろしくお願いします」



そう言って手を差し出すと、ラナも恥ずかしそうに手を出して握手をした。



これが、今後親友となるふたりの出会いだった――。



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