いつでも逃げられる
愛玩→信頼
監禁生活も数日が過ぎようとしていた。

外界との接触を絶たれて随分になる。

両親も、学校の友達も、きっと心配しているだろう。

警察の捜索は始まっているだろうか。

私が連れ去られる所を、誰かが目撃していてくれればいいのだけれど。

時間は持て余すほどある。

考えるのはそんな事ばかりだった。

…男が私から奪ったのは自由と視界だけではない。

携帯電話をはじめとした、外界との連絡手段もその一つだ。

携帯は今や連絡手段としてだけではなく、情報源ともなっている。

そんな情報をも完全に遮断され、私は世の中の様子すら知る術を失っていた。

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