危険中毒

LEVEL 3

ムーンが、出かけてしまい、
私は、しばらく
ベッドに座っていた。


抱きしめられた腕と
あの男が口にした事を
想い返す。


そして、自分の中に感じた
妙な、デジャヴ。


何かが、
ーーーーオカシイ。



ここに、このまま
いるわけには、いかない。


『出口はない』

すなわち、
『逃げられると思うな』

反して、
『部屋までの順路は
覚えているか』


ムーン・・・

腹の底はみせない男。

解る事は、あまりにも、
矛盾が多すぎる。


私は、この組織に
商品にされるのも、

あの狂った男に
抱かれるのも
ゴメンだ。


オトシマエをつけるより、
ここから逃げる方が
有益だと結論づける。


ムーンは、外部へ行った。

自分だって、
クラブでスカウトされた。

外部との通路は、
間違いなくあるんだから。



ならば


脱出するのみだ。


 

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