加害者な君へ、ありがとう
初の友達

今日から
新しい人生を歩むことになった、

中学一年の春のことだった


私は昨日まで
小学校の高学年として
ほぼ毎日の平日は赤いランドセルを背中に背負い
いつもの見慣れた通学路を通って
徒歩で40分ほど歩いた所にある
小学校に通っていた。


一般的、歩幅で私の家から学校まで徒歩で行くとなれば
30分もかからないのだろう。

だけど私は何故だか
この六年間通学路を通るときは
余裕を持って家を出て、
毎朝ゆったりと通学路を歩いていた。

それが六年間ずっと
習慣になってしまっていた。


「いってきます」

朝、七時四十分頃になると
毎日台所で朝ご飯を作るお母さんに向かって
玄関で靴を履きながら言うのも
いつの間にか習慣になっていた。

「いってらっしゃい」

表情は見ることは出来ないが
お母さんの声はいつの日にか、
後ろから私を優しい送り出してくれたあの時ような
とても優しい表情が脳裏浮かんだ。

すると
ふと笑みを漏らしてしまった。



「あっ、悠里!
お弁当持ったっ!?」


慌ててそう聞いてきた
お母さんに私は優しく答えた。


「うんっ持ったよっ」



また優しく微笑む
お母さんの顔が浮かんだ。


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