黒き手が…

もう一本の手

ミナは軽く息が上がっていた。

息苦しさを感じているのだ。

やり始めて何分経っただろうか。

壁伝いとはいえ、同じ所をグルグル回っているせいで頭が変になりそうだった。

しかも異変に気付いてしまった。

順番から行けば、アキはユマにタッチする。

そしてユマはフーカに。

フーカはミナに。

そしてミナはアキにと、順番は回っていく。

本当ならば、ミナは二つの角を曲がらなければならない。

しかし…いつの間にか、一つの角しか曲がらなくなっていた。
< 13 / 46 >

この作品をシェア

pagetop