マイスィートアフタヌーン
 一見にして、厄介なことにとび込んだことが明白だった。


この午後たっぷり、こちらのマダムと愉快に過ごせ? 
建物から出すな? 
話を丁寧に聞いて差し上げたならそのうち自分の話に夢中になるはず、もし町を探す運びになってしまったとしたなら決して西には近づけないで――


たたんだ手紙をつい見つめる。
推すに、これは確かに友情だけでは補いきれない試練のようである。

見誤りはしない、上からものを言うことに慣れてしまっているタイプ。若造の刑事である自分はすでに、マダムの下層への配置を受けていることだろう。

感じる圧感が増している。


 フレディは天井に視線を向けてすこぉし目を細め、レスリーの言葉を思い出した。

 遅い。

そっと息を吐く。
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