マイスィートアフタヌーン
 ヤードと同じように切り崩された要塞フレディは、自分の口からいとも簡単に現れた『友達』という言葉にも首をかしげながら自分の椅子へとやっと座った。

出会って間もない。友人とはこんな風に簡単に増えるものではないと思っていたのだ、これまでは。

自分が助け手を差し出すのなら、更なる理由と繋がりが必要なのだと思っていた、と言うのに……


「あなたがコクラン刑事さん?」

 座ったばかりの椅子から立ち上がる。考えはフトめの声に飛ばされていた。


「いえ、彼の代理で話を聞きます、フィデリテイと言います。どうぞ中へ」

「ミセス・ミルトン」


「ミセス・ミルトン、そちらの椅子にお座りください」
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