丸腰デパート・イケメン保安課

歓迎会

出勤7日目。


保安課の人達が、私の為に歓迎会をしてくれるそうだ。
今、その話で盛り上がっているらしい。

嬉しい…と言えば嬉しい。
だけど…。

「歓迎会なんて、二年ぶりですよねっ」

貢さん、嬉しそうだ。
かわいい!

だけど…ここって二年も新入社員が来なかったって事だよね?

ああ…でも今なら納得できる。


「歓迎会と言えば、やっぱり髭眼鏡だなっ!」

主任が、ビールジョッキで青汁を飲みながら笑う。

「主任!海パンにネクタイはどうっすか?!」
「お!冴えてるな、大輝!」
「いや、それではパクりになってしまう。斬新さを追求しなければ」

何の、そしてどんな方向への斬新さを追求しているのか!


「…手品はどうか?」

ハムスターに餌をやりながら、昴さんが呟く。
龍王と言うのは、どうやらハムスターの名前らしい。

「手品なら良くないか?」

手品…まぁ、それなら普通っぽいと言えば普通?

何か忘年会ノリと言えなくもないけど。


「ダメだ!手品は!特に昴の手品はダメダメだ!」

アレ?

一番ノリそうな主任が否定してる。

「そうっすよ!あれは自衛隊の管轄っすよ?」

自衛隊?!
どんな手品?!
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