ツギハギの恋
遅刻してでも化粧をする。
てか、どうせ遅刻すんだし。

いつもより丁寧にメイクした気がする。


今回はひなたに「ワン」ではなく「行ってらっしゃい」と見送られ家を出た。

バス停に向かうとさすがに学生はいない。

遅刻はあたしだけかよ……。

しばらくしてバスが来て乗り込むと2人ほどうちの学校の生徒が乗っていた。

なんだ、あたしだけじゃないじゃん。
それにしても通学ラッシュ時が過ぎるとバスがら空き……。


ホッとしてウトウトしているとバスは次の停留所に止まり、乗って来た客があたしの隣に座った。


は?
何で隣なんだよ?

周りがら空きだろ?


不思議に思い、隣を確認するとあたしは眠気が一気に覚めた。

何でお前も遅刻してんだよ……。



「よー……お前も遅刻?」

「……あっちゃんも……」


教室じゃなく、朝からバスであっちゃんと鉢合わせした。

2人揃って遅刻かよ……



あたしは学校に着くまでの間、息が詰まりそうだった。
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