COLORS【桃】出撃☆恋愛応援団
フラれた?
「う~む……これはフラれたと言うのでしょうか?松山先輩」

「そうね、一応そうなんじゃないの」

実況中継してる場合かっ!?
さっき姿を消したハズの二人が、俺の背後に再び現れた。

「お前らなぁ~!肝心な時にどこに行ってたんじゃ──っ!!」

「どこって、先輩がトイレに行きたいって言うから。すぐそこのトイレに……。で帰ってきてみればこのありさま」

御影は失敗したのは俺のせいと言わんばかりの目をしてやがる。
つーか!そもそもはお前たちのせいだろうがっ!!

「……もういいよ。ほっといてくれよ、俺のことなんか」

「一度フラれたくらいで勝手にブルーに浸ってるんじゃないわよ!!あんたの小さい頃から抱いてきた思いはその程度のモノなの!!ここまできて簡単に諦めるんじゃないわよ!」

初めは『俺のため』じゃなくて、『自分たちの存続のため』って思っていた。
そんな気もしていた……。
だけど、

「御影ちゃん……」

「団長になんて言われたか知らないけど、その時のタイミングとか心理状態もあるわけだしさ!!再度アタックするべきよ!!早速、次の手段を……」

彼女の目を見て、今はっきりと分かった。

「――俺のことは知らないんだってさ。覚えてないんだって」

「……恭介」

「そう言われたらどうしたらいいんだ?今の俺には言葉が見つからない……見つからないんだよ……」

御影の体温がすごく温かかった――それだけが唯一、俺を絶望の淵から救ってくれていた。
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