COLORS【桃】出撃☆恋愛応援団
成功への道程
「……一つ聞いていいか?」

「何よ、もしかしてこの後に及んでびびってるわけ?」

まず今の状況を説明しなければならない。

「じゃなくて!俺がこんなとこに!しかもお前らと一緒にいるんだ?」

彼女ら二人の固い結束により拉致られた恭介は、『恋愛応援団部室』の狭い狭いロッカーの中で三人すし詰め状態になっているのだ。

「あら?依頼したのはそっちでしょ、恭ちゃん」

松山先輩にそう言われると俺も弱い。

「し~っ!!静かに!!話していると見つかっちゃうわよ。告白大作戦!その壱、タイミングを計ってどさくさに紛れてGOよ!」
御影が口に人差し指をあてて言った。

「ったく……」

そのネーミングにもツッコミ満載だったり。GO!ってなんだよ……。まぁ、この場は敢えて何も言わないが。

しかし……この状態を皆様にお見せできないのが非情に残念である。
女の子にこうもべっとりと密着したことが、過去の俺の人生の中であっただろうか――。
寂しいことに無いのだ。

しかし今のこの状況を見ろ!俺の前には御影が、そして背中には松山先輩……。

むっ、ムネが──この柔らかい感触。
こりゃ、ハーレムだなぁぁぁ。


「来たみたいよ」
御影の声に俺は現実の世界に戻された。


――ガラッ……。


ロッカーの隙間から見える人影。この向こうに愛美姉さんが……。
久々の再会に俺の胸の鼓動は更なる高まりを見せていた。

「まだ蘭と御影は来てないみたいね」

彼女はそういうと鞄を机に置くと、側にあった折りたたみの椅子に腰掛けた。
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