恋の唄


送った文字はシンプルなものだった。


『話しがしたいです』


たったそれだけ。

頭の中では『彼女の事が聞きたい』とか、『花火の時はごめんね』とか色々浮かんでいるのに、迷った挙句に文字にしたのはそれだった。


現在、土曜日の午前11時。

いつもと同じスケジュールなら、華原君は部活に出ているはずだ。

だから、終わったら見るのだろうと考えてベッドにゴロンと横になった矢先、ケータイがメロディーを奏でる。

驚いて手にすれば、ディスプレイには華原君の名前と……


『着信中』



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