恋の唄
「ねぇ結衣! あのアクセ可愛くない?」
アクセサリーショップの店内で伊織ちゃんが瞳を爛々と輝かせて指差す。
「ホントだ。伊織ちゃんに絶対似合うと思うよ」
「上手いな結衣はー。ん? これ、結衣に似合いそうじゃない?」
そう言って伊織ちゃんが手にしたのはネックレスだった。
ペンダントヘッドがハートの形で小振りだけどストーンが付いていて可愛い。
「わぁ~…ちょっと欲しいかも」
「買っちゃえば? 私も結衣が似合うって言ってくれたし買おうかな」
そんな風にしてお互いにアクセを手にして鏡で当てて見る。
で、何だかんだと他のアクセに目移りしながら、結局私たちはお互いが似合うと言ったアクセを購入したのだった。
今月のお小遣い残金が気になるけど、そろそろバイトでも始めようと思ってたし……なんてプラス思考に切り替える。
購入したネックレスをさっそくつけて、私たちは軽く食事を摂りながらトークに花を咲かせ、日が暮れる頃に駅前でバイバイした。