空をなくしたその先に
8.復活の日
泥の海に沈み込むような気がした。

どれほどもがこうとも、そこから抜け出すのは容易なことではない。

ビクトールは、首をひねろうとして小さく毒づいた。

体のあちこちに痛みが走る。

やっとのことで目をあけると、光が飛び込んできた。

ぎゅっと目を閉じる。

目をしばたたかせながらもう一度あけると、今度は白い天井が見えた。

どうやら、死に神の手からは逃れることができたようだ。


「お目覚めですか?」


聞きなれた声が耳に心地いい。
視線を横に向けると、サラがベッドのそばに寄せた椅子に腰をおろしていた。

肩から前に垂らした三つ編みを、肩越しに背中へと放り投げて、彼女は立ち上がる。


「申し訳ありません。
リディアスベイルを失いました」


それだけを口にして、頭を下げた。

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