愛の手

未来への光、救いの手。


あたしは手足が縛られたまま、違う部屋にまた移動させられた。


浅葱組と違って、ちょっと洋風の部屋。

女の人向けな部屋は、お母さんが昔使ってた部屋なんだってさ。



「足りないものはなんでもそろえるって、七代目が」

「……」


「おい、シカトかよ」

礼央が扉のとこでわめく。


あたしはめげずに、口を閉ざす。




「なぁ、悪かったって」


「……なにに対して悪かったか、わかってんの?」



イライラする。

礼央に対して、あたしに対して、全部。

< 252 / 285 >

この作品をシェア

pagetop